1999年9月5日 西ノ京

薬師寺・唐招提寺


●薬師寺
 15時少し前、西ノ京駅に降り立つ。通過はしばしばしているが、降り立つのは何年ぶりだろうか。知らぬ間に地下道が出来、改札は地下になっている。これも趨勢だろうが、なんだかな・・・
 駅から少し歩くともう薬師寺の北口。と同時に、ここは唐招提寺に続く、私呼「西ノ京の道」との分かれ目でもある。北口から薬師寺入りするのは裏口から入るようなもの堕との意見もあるが、今日はわざわざ正面へ回る気力もない。
 教室然とした東僧坊を抜けると、大講堂の復興工事現場がありありと見えてくる。本当にやるんですなあ・・・ 工事用の覆屋を通してみると、完成したら、まさに「大」講堂で、あの大きな金堂が小さく感じることになりそうだ。しかし、薬師寺の復興工事は本当に進んだ。中学修学旅行時に着工されていた中門はもういささかの趣を感じさせる風格を持つに至っているし、回廊は半分が整備され、東院は回廊の陰になって全貌が見えにくくなっている。
 思えば、薬師寺の境内に足を踏み入れるのは恐らく14年ぶり。界隈を歩いたり、横をバスで通ったりは何度となくしているが、その喧燥を敬遠して中に入ることはなかった。しかし、この静けさはいったい。薬師寺って、こんなに落ち着けるところだったであろうか・・・ おかげでじっくりと薬師寺を堪能できた。薬師寺は、やはり仏ですな。


●唐招提寺
 「西ノ京の道」を北上し、唐招提寺へ。あいかわらずの土塀の朽ち果て具合がたまらない。唐招提寺は昔のままの姿だ。実際はそうではないのだが、鑑真の居た頃の雰囲気がどこかにあるように思えてしまう。ここにも名のある仏はあることはあるのだが、薬師寺の方にどうもひかれてしまうようだ。それよりやはり、境内の雰囲気かな。有名な鑑真像を安置する開山堂の方へも足を伸ばす。池に囲まれた鑑真の廟にも行ってみた。ひょっとするとここは始めてかもしれない。よく蚊に刺された。金堂に戻ると、もう閉門の時間が近くなり、堂の扉を閉める作業が始まっている。しばし金堂の石垣に腰を下ろし、境内の鑑賞。「うちわまきのお堂」は、やっぱりすがすがしいねえ・・・


●興福寺
 締めくくりは、例によって興福寺境内を散策。東金堂の受付、もう6時過ぎだって言うのに、まだ営業中なのね。30分ほど五重塔を眺めた後、猿沢池に降りる。そろそろ季節だし、うねめ神社を眺めておく。普段見ると、なんてことのない街の祠だねえ・・・ そろそろこのあたりの風紀が悪くなる時刻。びっくりうどんを食べて、帰宅の途につく。
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