一般的な降水量の測り方

 降水量は、雨量計という観測機器で観測する。しかし、降水量は風や、周囲の建物、地形などの影響によって、雨量計にうまく雨滴が入らなかったりすることも多く、観測条件によって値が大きく異なる場合も多い。気象庁等の観測所はこのような条件についてよく考慮されているが、その他の各種機関の設置している雨量計の観測値を利用する場合には、観測所を訪ねて、設置状況を確認するなどの注意を払った方がいいかもしれない。

 1950年頃までの降水量観測では,漏斗状の受水器で降水を集め,これをびんにためてメスシリンダーで測る指示式雨量計が広く利用されていた.これは捕捉した降水を直接測るものであるため,測器としては最も正確な観測ができるとされているが,観測が人力によるものであるため,日常的に短い時間間隔で観測することは困難であり,気象官署等をのぞいては,1日1回程度の観測が多かった.
 1950年代頃以降は,0.5mm分の降水が貯まると貯水ますが転倒してパルス信号を発信し,記録器で自動記録する転倒ます式雨量計が普及するようになる.この雨量計は自記記録が容易であり,無人観測所に長期放置するタイプの開発も容易であったことから,広範に利用が進み,気象庁でも1970年にほぼ全面的に転倒ます式雨量計による観測に移行している.

 現在では,公的機関の降水量観測はほぼ例外なく転倒ます式雨量計によって行われており,指示式雨量計は,小・中・高等学校等での教育用としての利用が目立つ程度である.

【参考文献】気象庁,1975:気象百年史,293〜308,日本気象学会